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レンタルオフィスの利用には補助金が下りる?対象となる事業・制度と申請方法

レンタルオフィスの利用にかかった経費は、国や自治体の補助金・助成金の対象になる場合があります。利用できる制度や手続きの流れ、申請時の注意点を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
レンタルオフィスにある執務室スペース

要約

レンタルオフィスを利用する際には、一定の条件を満たせば国や自治体からの補助金や助成金が受給できることがあります。オフィス開設・運営にかかるコストが抑えられるため、要件を確認したうえで活用しましょう。今回は、東京のレンタルオフィスが対象となる補助金・助成金に関する情報と、申請時の注意点を解説します。

レンタルオフィスの利用時には補助金が申請できる

事業者向け補助金や助成金の中には、レンタルオフィスの利用にかかった費用が対象となる制度が存在します。現在、ワークライフバランスの向上や地方創生、事業間交流などの観点から、テレワークやサテライトオフィスの設置が国を挙げて推進されているからです。

レンタルオフィスの活用は働き方の多様化を実現する手段の一つだといえます。レンタルオフィスのほか、シェアオフィスの利用料金も補助・助成の対象です。

【2025最新】東京のレンタルオフィスが対象となる補助金

以下では、2025年現在、レンタルオフィスの利用時に申請できる補助金・助成金を紹介します。

人材確保等支援助成金:厚生労働省

人材確保等支援助成金」とは、厚生労働省が管轄する、労働環境の向上や人材確保・定着の取り組みを支援するための制度を指します。そのうち、レンタルオフィスが対象となるのは「テレワークコース」です。人材確保や管理体制の改善を目的とするテレワーク導入へ向け、レンタルオフィスを利用する場合に対象となります。

申請要件は、制度の導入後、対象となる従業員全員が1回以上テレワークに従事することです。制度導入後の離職率が、以前より低下したときに目標達成と見なされます。

1企業あたりの助成金の額は、制度導入の際に1企業あたり20万円です。目標を達成すればさらに10万円、制度導入後1年以内に賃金が5%以上アップした場合は15万円が支給されます。

申請の流れ

人材確保等支援助成金が支給されるのは、取り組みの実施後です。申請は書面のほか、オンラインでも受け付けています。

まず「テレワーク勤務制度について規定すべき事項」について、自社が次のどちらに該当するかを確認してください。

  • 実施拡大事業主:1つ以上規定済み
  • 新規導入事業主:新たに規定して3カ月以内に制度・取り組みを開始する

そのうえで、研修やコンサルティングを実施して従業員へ周知した後、レンタルオフィスを利用したテレワークを実施します。所定の条件を達成した場合、以下の書類をそろえて申請し、採択されれば制度導入助成金が支給される仕組みです。

  • 人材確保等支援助成金(テレワークコース)(制度導入助成)支給申請書
  • テレワーク勤務制度の社内規定が確認できる書類(就業規則の写しなど)
  • 制度に関する周知・啓発の日付が確認できる書類
  • 取り組みに関する研修・コンサルティングの実施報告書 ※就業規則の拡充目的の場合を除く
  • テレワークの実施状況一覧表および個々の勤務実績が確認できる書類(出勤簿など)
  • 支給要件確認申立書 ※電子申請の場合を除く

なお、申請期限は取り組み終了後から2カ月以内です。上記のほか、必要に応じて労働局から別の書類の提出を求められることもあります。さらに取組目標を達成した場合は、支給申請書および添付書類を別途提出することで、目標達成助成が受けられます。

創業助成金:東京都中小企業振興公社

東京都中小企業振興公社では、東京都内で創業する中小企業の事業者を対象とし、その初期に必要な経費の助成事業を実施しています。100万〜400万円の範囲で、かかった経費の3分の2以内の額を、最長2年間に渡って受給できる制度です。これから創業予定もしくは創業から5年未満で、次の条件を満たす場合に申請できます。

  • TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者
  • 東京都制度融資(創業)利用者
  • 都内の公的創業支援施設入居者

過去に同公社の助成を受けたことがある事業者でも、一部のケースを除き、重複する経費でなければ申請可能です。

申請の流れ

東京都中小企業振興公社の創業助成金の申請受付は、電子申請(jGrants)のみです。申請の際には、まず「jGrants」をダウンロードしてください。

次に、申請に必要な以下の書類をそろえましょう。

  • 創業助成事業申請書
  • 直近2期分の確定申告書もしくは事業報告書
  • 履歴事項全部証明書(原本) ※法人のみ
  • 個人事業の開業・廃業等届出書 ※個人事業主のみ
  • 直近の納税証明書(原本)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなどの写し)

上記書類をアップロードし「jGrants」で申請します。電子申請の期間には定めがあるので、期限内に書類をそろえて申請してください。書面審査のうえ、通過した場合は面接審査に進み、その結果を踏まえて採択・不採択が決定します。

レンタルオフィスの補助金を申請する際の注意点

レンタルオフィスにあるオフィスデスク

ここからは、レンタルオフィス関連の補助金・助成金を申請する際に注意すべき4つのポイントを解説します。

補助金と助成金の違いを理解する

補助金と助成金の違いは、主に次の3点にあります。

  • 管轄する省庁
  • 制度の目的
  • 支給条件

主に、厚生労働省管轄が助成金、経済産業省・地方自治体が管轄している事業が補助金となっていることが多いです。また、補助金は特定の事業に対して支給されます。一方、助成金は特定の取り組みを実施する事業者を対象とする制度です。

加えて、助成金は所定の条件を満たし、申請内容に問題がなければ支給されます。対して、補助金は所定の条件を満たすことで審査が受けられる仕組みであり、必ずしも採択されるとは限りません。ただし、いずれの制度でも返済の義務はありません。

事前に最新情報を確認する

制度ごとに申請要件や手続き、期間が異なるため、事前に確認してから作業を進めましょう。また同じ補助金・助成金でも、年(年度)によって要件や手続きなどが異なる場合もあるため注意してください。新たな補助・助成制度がスタートする可能性もあるため、毎年、最新情報を必ずチェックすることをおすすめします。

事業の人数・規模の規定に注意する

レンタルオフィスの利用時に申請できる補助金・助成金は、中小企業や小規模事業者、創業から間もない会社を対象としたものが多い傾向にあります。また会社の分類では「中小企業」に該当しても、親会社である大企業から出資を受けている場合は対象外となることもあるため、補助・助成制度の窓口に確認しておきましょう。

補助金に頼りすぎない

要件を満たす制度に申請しても、内容に不備や何らかの問題があると見なされると採択されません。必ず支給されると考えていると、思わぬトラブルを招く恐れがあるので注意が必要です。

また補助金・助成金は、申請したからといってすぐに受給できるのではなく、取り組みの実施後に支給されるものも少なくありません。さらに、設定した目標が達成できなかった場合、返還しなければならないこともあります。

補助金や助成金は、あくまでも事業や取り組みのサポートとしての役割です。当てにし過ぎると、計画倒れになることがあります。設備の導入や新たな取り組みのための資金を自身で確保したうえ、補助的に活用することをおすすめします。

補助金でレンタルオフィスを賢く活用しよう

レンタルオフィスにあるラウンジエリアで仕事をしている人々

補助金や助成金を利用すれば、レンタルオフィスにかかる費用負担を大きく抑えられる可能性があります。最新情報をチェックして、賢く活用しましょう。

「エグゼクティブセンター」では、補助金・助成金の最新情報の提供や書類の準備をはじめとする申請のアドバイスを行っています。豊富な経験に基づくファーストクラスのオペレーションサービスを提供するので、入居後のビジネスのことなら何でもお任せください。

よくあるご質問(FAQ)

  • はい。所定の条件を満たす場合、レンタルオフィスの利用費用が国や自治体の補助金・助成金の対象となるケースがございます。特に、テレワーク推進や創業支援に関連する制度においては、レンタルオフィスの利用が補助対象として認められることがあります。
  • 2025年現在、代表的な制度としては厚生労働省の「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」、および東京都中小企業振興公社による「創業助成金」が挙げられます。いずれも要件を満たすことで、レンタルオフィスにかかる費用が助成対象となり得ます。制度ごとに条件や支給額が異なるため、最新情報を確認することをおすすめいたします。
  • 補助金と助成金は、制度目的や支給条件が異なります。また、申請要件や受付期間は年度ごとに変更される可能性があるため、常に最新の情報を確認することが重要です。さらに補助金については審査制であるため、申請しても必ずしも採択されるとは限りません。資金計画を独自に立てたうえで、補助的に活用するのが望ましいでしょう。