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レンタルオフィスは法人登記が可能!メリット・デメリットと適格な拠点の選び方

法律上、レンタルオフィスでは法人登記が可能です。法人口座開設や融資審査などさまざまな公的手続きに利用できますが、適格かどうかはサービス品質によります。活用のメリット・デメリットや選び方、法人登記の実務に役立つ情報をまとめました。
レンタルオフィスにある大人数対応の個室オフィス

目次

レンタルオフィスは、法人登記の際に「事業の本拠地」として登録できます。法人登記にレンタルオフィスを活用するメリット・デメリットや注意点を、法人口座や融資審査など法人化にあたって気になる視点も踏まえてまとめました。法人登記に利用するレンタルオフィスの選び方や登記申請の流れ、登録にかかる費用など、実務に役立つ情報もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

レンタルオフィスの多くは法人登記・口座開設・融資の住所利用に対応

結論として、プロバイダーの認可があれば、どのようなレンタルオフィスでも法人登記の際の住所利用が可能です。法人登記だけでなく、法人口座の開設や融資審査を受ける際など、法人化に関する多くの公的手続きでレンタルオフィスの住所が利用できます。

法律上、法人登記において、オフィス形態の違いは問われません。そのため、一般的な個室のレンタルオフィスはもちろん、ワンフロアを間仕切りしたタイプの「シェアオフィス」「コワーキングスペース」や、事務所要件が定められている一部の業種を除き、いわゆる住所貸しサービスである「バーチャルオフィス」も法人登記に対応できます。

ただし、レンタルオフィスの住所利用の可否と範囲は、プロバイダーやプランによって異なるため、事前に利用規約や契約内容を確認してください。また、上記のような公的手続きの際、重点的にチェックされるポイントとなるのが「事業としての信頼性」です。ビジネスを円滑かつ有利に展開したいなら、やみくもに選ぶのではなく、サービスの品質をしっかりチェックしましょう。

レンタルオフィスの住所で法人登記をするメリット

法人登記でレンタルオフィスの住所を登録するメリットを「信頼性」「安全性」「コスト」「機会損失」の4つの視点から解説します。

実績にかかわらず「信頼性のある事業」としての体裁を整えやすい

レンタルオフィスの最大ともいえるメリットは「オフィス選定の選択肢が広がる」ことです。実績や資金の多寡にかかわらず、一般的な賃貸オフィスと比べ、幅広い条件のワークスペースが選べます。都心の一等地や、有名ビジネスエリアに拠点を置くことは、ビジネスを有利に展開するための条件の一つです。名刺やWebサイト、各種帳票などで公開する住所のグレードの高さは、対外的な信頼感に直結します。レンタルオフィスなら、開業・起業直後であっても、費用面・実績面から利用のハードルが高いハイグレードなオフィスを本拠地にできるでしょう。

また、商業登記や各種許認可申請などでの適格性を満たせるだけでなく、あらゆる情報・書類に記載する住所をビジネスアドレスに統一できるため、事業としての一貫性が生まれます。集客に効果的なのはもちろん、人材採用面でも有利に働くかもしれません。

こうした理由から、法人登記にレンタルオフィスを活用すれば、対外的に一定の信用水準が保てるようになります。実績がまだ少なく、社会的信用度を高めたいスタートアップや、新興の外資系企業・事業者にも最適なオフィス形態です。

公的情報としての適格性を満たしつつプライバシー・セキュリティ対策ができる

法人登記の登記事項は、公開情報として取り扱われます。そのため、法人登記の住所は、公的情報としての適格性を満たしていることが不可欠です。

例えば、もし個人の住所を事業の本拠地にした場合、個人情報を公にさらけ出すことになってしまいます。

また、多くのレンタルオフィスでは、建物全体のセキュリティ管理やエントランスへの人員配置がプロバイダー主導です。そのため、賃貸オフィスにありがちな飛び込み営業や、不審者侵入などのセキュリティリスクが軽減します。

このように、ビジネス用の住所として適格なだけでなく、プライバシーやセキュリティ面のリスクを減らせるのは、レンタルオフィスの大きな強みです。

法人化フェーズにかかる拠点開設コストを抑えられる

レンタルオフィスには、家具や機器、インターネット環境などビジネスオフィスに不可欠な設備があらかじめ整っています。サービスによっては、ワークスペースやビジネス設備に加え、会社設立や経営のサポートを、専門家への相談と比べて格安の料金で利用できます。

こうした設備やリソースを自社で一からそろえると、数百万円を超える莫大な費用がかかることも少なくありません。それを踏まえると、レンタルオフィスは、開業・起業の準備や諸手続きにかかるコストを最小限に抑える選択肢になります。特に、開業・起業直後や法人化など、まとまった資金が必要となるフェーズでのコストカット術として重宝するでしょう。

ビジネスの機会損失が防げる

レンタルオフィスは、利用契約の締結から利用開始までが短期間で済みます。従来の賃貸オフィスだと、契約後、実際に入居できるようになるまでには、内装やインターネット回線の工事、家具・什器の手配・搬入などさまざまな準備が必要です。そのため、法人登記ができる状態になるまで多くの時間がかかりやすく、場合によっては数カ月〜年単位の時間がかかるケースもあります。その間、すでに事業を展開できていた場合に得られたはずの利益は計り知れません。

つまり、レンタルオフィスを選択するということは、ビジネスの機会損失を防ぐ手段の一つです。特に、少数精鋭のスタートアップやベンチャーなど、会社設立に時間をかけるリソースや時間的余裕が少ないビジネスモデルに向いているオフィス形態だといえます。また、本拠地とは異なる場所にサテライトオフィスを設置する際、その手続きや準備の手間と、コストを抑えたいと考えている企業・事業者にも最適です。

レンタルオフィスで法人登記をするデメリット

レンタルオフィスで法人登記をする際には、次の3つのポイントに注意してください。

法人登記に利用できないケースが一部存在する

同じレンタルオフィス内に、同一商号の企業・事業者がいる場合、法人登記ができません(出典:第27条 同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止|商業登記法|e-Gov法令検索)。複数社と同居するレンタルオフィスでは、商号・住所が完全に一致してしまう可能性が高くなります。そのため、歩人登記を予定している場合は、利用者の中に同一商号で法人登記している会社がないか事前に確認したうえで選定してください。

また、以下のような業種では、一定の事務所要件が定められていることから、それを満たせないレンタルオフィスを事業の本拠地とすることは認められません。

  • 弁護士や司法書士、行政書士をはじめとする一部の士業
  • 建設業
  • 不動産業
  • 運送業
  • 旅行業
  • 人材派遣業
  • 廃棄物処理業
  • 古物商

物理的な実態の有無やワークスペースの面積、占有個室の有無、プライバシー性を担保するための措置などをチェックして、要件を満たすレンタルオフィスを見つけましょう。

登記した住所の継続性がプロバイダーに依存する

レンタルオフィスの住所で法人登記をした場合、それをいつまで使い続けられるかは、プロバイダーに委ねられます。第三者が提供するサービスである以上、運営元の倒産や事業停止、運営方針の変更などが絶対にないとはいい切れません。

万が一サービスが終了してしまうと、登記事項をはじめ、各種許認可や行政手続き、税務関係、社会保険関係、取引先・顧客、郵便、名刺・ウェブサイト、その他利用中のサービスなど、レンタルオフィスの住所を利用した情報を速やかに更新しなければならず、手間とコストがかかります。このように、同じ住所を長期的に利用できなくなるリスクがあることを考慮し、長期的に安定したサービスを見極めることが大切です。

実態に基づく社会的信用度の形成には工夫を要する

グレードの高い住所を手軽に事業の本拠地にできるレンタルオフィスを活用すれば、対外的なイメージアップが図れます。しかし、事業の実態そのものの評価を格上げできるわけではありません。

例えば、レンタルオフィスの住所で法人登記をする場合、同一住所に複数の法人が登記されることとなり、一つひとつの事業の識別性が下がります。事業を住所で識別しにくい状態だと、対外的な信用度が低いと見なされやすく、金融機関や取引先などから照会を受けたときに補足説明が求められることも多いです。

また、占有できる個室がない形態のレンタルオフィスを利用して法人登記をするときは、例外規定やサービスごとの特性にも注意しなければなりません。特に、公共性の高いシェアオフィスやコワーキングスペース、物理的実体のないバーチャルオフィスは、個室のレンタルオフィスに比べ、社会的な評価が低く見られることがあります。そのため、口座開設や融資の審査の際に事業の実態を厳しくチェックされたり、判定に時間がかかったりするかもしれません。

従って、レンタルオフィスで法人登記をする際には、業務内容や設備、ガバナンス体制、福利厚生の充実度といった、事業の客観的な信頼性を証明できる住所以外の手段を示せるようにしておくことが求められます。

法人登記に適したレンタルオフィスを選ぶ5つのポイント

レンタルオフィスにあるバイリンガル対応可能な受付

法人登記に利用するレンタルオフィスを選ぶ際には、次の5つを基準にすることで失敗が減らせます。

  • サービスの住所利用の範囲:法人登記に対応しているか
  • オフィスの形態:「実態がある」と認められやすいオフィス環境が得られるか
  • 電話番号:固定電話番号を利用できるか
  • 受付・来客対応:専用スタッフが配置されているか
  • プロバイダーの経営状況:長期利用が見込める安定した運営基盤があるか

サービスの住所利用の範囲:法人登記に対応しているか

大前提となるのが、そのレンタルオフィスが「法人登記の住所利用に対応しているかどうか」です。法的には問題なくても、プロバイダーの認可がなければ、法人登記の住所には使えません。

Webサイトをチェックするか、問い合わせ窓口で法人登記を予定している旨を伝え、住所利用の可否を確認してから利用契約を検討することが選定のファーストステップとなります。

オフィスの形態:「実態がある」と認められやすいオフィス環境が得られるか

レンタルオフィスを利用した法人登記の際、各種公的審査・許認可で不利にならないようにするには「物理的実体の有無」がキーポイントとなります。法人口座開設や融資審査、取引先からの与信チェックなどでは、物理的な実体のあるワークスペースがあるかどうかが重視されるからです。

実体がないからといって、必ずしも審査に通らなくなるわけではありません。とはいえ、物理的なワークスペースが存在するほうが、対外的な信用度が高い事業だと判断されやすくなります。特に、事務所要件の定められる業種の開業・法人登記でレンタルオフィスの住所利用を考えているときは、完全個室や、プライバシーを厳守できるワークスペースが提供されるサービス・オフィス形態を選ぶことが重要です。

もしプライベート性が比較的低いシェアオフィス・コワーキングスペースや、実体のないバーチャルオフィスを利用して法人登記をするときは「業務拠点としての利用実態」を裏付ける工夫が求められます。例えば、固定席が確保できるシェアオフィス・コワーキングスペースや、会議室・イベントスペース、個別ブースなど占有ワークスペースが別途利用できるバーチャルオフィスを選ぶとよいでしょう。

電話番号:固定電話番号を利用できるか

法人登記での住所利用を予定しているなら「固定電話番号」が利用できるレンタルオフィスをおすすめします。電話番号は、各種審査・許認可の与信管理で重視されるポイントの一つだからです。

法人登記そのものには、どのような電話番号でも構いませんが、登記後の法人口座開設や融資審査などでは固定電話の有無がチェックされることがあります。加えて、電話の一次対応・取次まで行うレンタルオフィスを選べば、事業実態の補強と連絡手段の確保によるビジネスの機会損失防止、対外的なイメージアップにもつながるでしょう。

受付・来客対応:専用スタッフが配置されているか

法人登記に利用する住所には、アドレス自体のグレードのほか、外部からのアクセスへの対応力にも一定のレベルが必要だといえます。エントランス・受付に専用スタッフが配置されているオフィスを選べば、ビジネスの体裁が手軽に整います。

さらに、来客時の受付対応はビジネスの印象にも直結するため、ただ対応できれば良いわけではありません。経験者や有資格者など、高品質なホスピタリティを提供するプロスタッフが受付に配置されるレンタルオフィスを選ぶことで、ビジネスの品格を上げることに直結します。

プロバイダーの経営状況:長期利用が見込める安定した運営基盤があるか

レンタルオフィスで法人登記をするにあたって、同じ住所を長期的に使い続けるためには、安定した運営基盤が敷かれているかどうかが鍵になります。単に安さや立地の良さだけで選定すると、サービス終了による不利益を被ってしまうかもしれません。従って、契約前に、サービス内容に加え、プロバイダーの経営状況もチェックし、信頼できるサービスを選ぶことが重要です。

信頼できるプロバイダーかを見極めるチェックポイントは「運営元の事業規模」と「運営実績の多さ(創業年数、拠点数など)」です。この2つは、運営基盤の安定性を示す指標になります。運営元が有名、もしくは規模が大きく、レンタルオフィス事業の実績も豊富なプロバイダーが提供するサービスなら、長く安心して運用できるビジネスアドレスが手に入るはずです。

レンタルオフィスの住所で法人登記するプロセス

ここからは、実際にレンタルオフィスの住所を利用して法人登記の申請を行う流れを解説します。

1.レンタルオフィスの選定

法人登記の手続きには会社の住所の記載が必要なため、まずはレンタルオフィスを選定し、自社の所在地を確定させましょう。レンタルオフィスを選ぶときは、以下のポイントを比較・検討してください。

  • 法人登記の可否
  • 立地
  • 内装・外装や設備のグレード
  • プライバシー・セキュリティのレベル
  • 利用可能な時間帯
  • 料金
  • 会議室・応接室などのオプションサービスの有無

一口にレンタルオフィスといっても、そのサービス内容やかかる費用はさまざまです。一般的なレンタルオフィスのほか、よりラグジュアリーな「サービスオフィス」や、いわゆる住所貸しである「バーチャルオフィス」など、多彩な形態があります。資料だけでは分からない部分もあるため、実際のアクセスやオフィスの様子を内覧し、自社にふさわしいかどうかを見極めましょう。

2.会社設立

レンタルオフィスの契約を済ませたら、以下の手順で会社設立の手続きを進めます。

  1. 設立する会社の種類を決める
  2. 会社の基本事項を定める
  3. 法人印鑑(会社印)を作成する
  4. 定款を定める
  5. 資本金の払込を行う

会社の種類には、主に次の4つがあります。

  • 株式会社
  • 持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)
  • 一般社団法人・一般財団法人
  • その他(特例有限法人・NPO法人など)

どの種類の会社を設立するかを選択し、商号(社名)や所在地、資本金、会計年度などの基本事項を決めましょう。

その後、商号を刻印した実印・銀行印・角印の3種類の法人印鑑(会社印)を作成します。登記の手続き自体には押印は必須ではありませんが、口座開設や融資など、会社設立後のさまざまな手続きで印鑑が必要になるため、この時点で作成しておくと、その後の流れがスムーズです。

「定款」とは、会社の基本事項と運営上の規則をまとめた書類です。株式会社を設立する場合は、定款の認証を受ける必要があるため、公証役場へ提出してください。

最後に、あらかじめ決めておいた額の資本金を発起人の口座へ払い込めば、会社設立の基本的な手続きは完了です。

3.法人登記の手続き

会社設立の準備が整ったら、法人登記の申請手続きに進みます。法人登記は、原則として会社設立から2週間以内に申請しなければなりません。すみやかに専用の登記申請書と指定の添付書類を用意し、管轄の法務局へ提出してください。

なお法人登記は、書面のほか、専用ソフトをダウンロードすればオンラインでも申請可能です。電子証明書の有無によって手続きが異なるため、法務省の公式Webサイトを確認してください。

以下では、登記申請書の書き方と、その添付書類の内容について説明します。

登記申請書の記載事項

登記申請書は、登記の事由や会社の種類によって異なります。一例として、株式会社設立時の主な記載事項を以下にまとめました。

  • 商号(社名)
  • 会社・法人の本店または主たる事務所の所在地
  • 登記事由の発生日
  • 登記すべき事項
  • 課税標準金額(資本金の額)
  • 登録免許税の額
  • 添付書類の種類と通数
  • 申請日および申請者の住所・名称
  • 連絡先の電話番号

登記事由の発生日、つまり会社の設立年月日は任意ですが、前述のとおり「2週間以内の申請」が原則です。同じく、法人登記の申請年月日も「登記事由の発生日〜2週間以内の日付」であり、将来の日付は記入できません。

記載した情報に誤りがあった場合は、二重線を引いて削除箇所が見えるようにし、その近くに正しい内容を記載のうえ、申請書と同じ印鑑を押印します。押印した付近に、訂正して削除した文字の数や、加えた文字の数を記載しても構いません(例:「◯字削除◯字加入」)。

なお、法人の設立年月日は「法務局が申請を受け付けた日」となります。登記事項証明書や印鑑証明書は、受付が完了するまで発行できません。申請から受付までに時間がかかる場合もあるため、計画的に手続きを進めてください。

登記申請に必要な添付書類

登記申請書の添付書類も、設立する会社の種類によって異なります。ここでは「株式会社」を設立する際の法人登記に必要な添付書類を紹介します。

  • 収入印紙および貼付台紙(登録免許税の納付用)
  • 定款(写しでも可)
  • 発起人の同意書
  • 設立時代表取締役を選定したことを証する書面
  • 設立時取締役(及び設立時監査役)の就任承諾書
  • 印鑑証明書または印鑑
  • 監査役の本人確認証明書(住民票記載事項証明書、運転免許証の写しなど) ※設立時監査役を選任した場合のみ
  • 設立時取締役(及び設立時監査役)の調査報告書及びその附属書類 ※定款で変態設立事項を定めている場合のみ
  • 資本金の払込を証明する書面(預金通帳の写しや取引明細票)
  • 資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
  • 委任状 ※代理申請の場合のみ

上記のほか、株主名簿管理人や監査役、弁護士を選定した場合や、有価証券の現物出資などがある際にはその附属書類を提出しなければなりません。

なお、添付書類は原則原本を提出することとなっています。原本は返還請求が可能であり、その場合は、原本証明を行ったコピーを併せて提出してください。

添付書類が複数枚にわたる場合は、各ページのつづり目に「契印」を行います。添付書類の記載内容に事実と異なる部分があるときは、そこへ二重線を引いて書いてあった内容が見えるように削除し、その近くに正しい情報を記入して、同書類に押してある印鑑と同じものを押印しましょう。

4.法人登記後に住所が変わったときの手続き

登記情報として記載されている本店・本拠地の住所が変わったときは、その事由発生の2週間以内に変更登記を済ませなければなりません。変更登記書類の提出先は、管轄の登記所(法務局)となります。提出する書類は会社の種類によって異なり、主なものを以下の通りです。

  • 株式会社:株式会社本店移転登記申請書
  • 特例有限会社:特例有限会社本店移転登記申請書
  • 持分会社:合同会社本店移転登記申請書
  • NPO法人:NPO法人主たる事務所移転登記申請書
  • 一般社団法人:一般社団法人主たる事務所移転登記申請書
  • 一般財団法人:一般財団法人主たる事務所移転登記申請書
  • 外国会社:外国会社の営業所移転登記申請書

それぞれ「管轄登記所内移転」と「管轄登記所外移転」で書類が異なるので注意しましょう(外国会社を除く)。添付書類は原則不要ですが、定款の変更が必要な場合のみ「株主総会議事録」を一緒に提出してください。

なお、期限内に変更登記を行わなかった場合は、100万円以下の過料が課される恐れがあるため、速やかに手続きを済ませる必要があります。変更登記が完了するまでは、会社・法人の最新の登記事項証明書・印鑑証明書は発行できない点にも注意してください。

併せて、税務署や都道府県税・市民税事務所、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークなどでも住所変更手続きを行わなければなりません。それぞれ手続きの進め方が異なるため、事前に各窓口に問い合わせておくと安心です。

レンタルオフィスで法人登記する際の費用

レンタルオフィスで法人登記をする際には、サービスや手続きの内容によっても異なりますが、一定の費用がかかります。主な費用は以下の通りです。


法人登記にかかる費用の種類費用の目安
レンタルオフィスの利用料金初期費用(保証金など)+月額料金(10万〜20万円前後)
資本金1円以上(初期費用+3〜6カ月分の運転資金が目安)
登録免許税6万円〜(会社の種類や資本金額によって異なる)
定款にかかる費用定款認証手数料:3万円〜(例外規定あり)
定款謄本手数料:1枚あたり250円
収入印紙代:4万円(株式会社・相互会社のオンライン申請は無料)
その他の費用数百〜数十万円程度(印鑑代、印鑑登録・証明書発行、外部代行サービスへの依頼料 など)


レンタルオフィスの利用料金

レンタルオフィスの利用料金は、立地やサービス内容によって異なります。例えば、東京の有名ビジネス街のレンタルオフィス利用にかかる費用は、月10万〜20万円前後が相場です。料金の多寡だけではなく、自社のニーズとサービス内容を照らし合わせ、コストパフォーマンスのよいレンタルオフィスを選びましょう。

資本金

会社設立時には、あらかじめ資本金を決め、発起人の名義の口座に振り込む必要があります。資本金の額は、会社の形態にかかわらず、1円以上ならいくらでも構いません。ただし、資本金が少ないと、会社設立の準備資金が足りなくなるリスクが生じます。安易に安い金額を設定するのではなく、初期費用に加えて3〜6カ月分の運転資金がまかなえることを基準に決めるとよいでしょう。

登録免許税

法人登記の際は、登録免許税を納付しなければなりません。登録免許税の額は会社の種類によって異なり、それぞれ以下の通りです。


会社の種類登録免許税の額(100円未満の端数は切り捨て)
株式会社資本金の額の1,000分の7の額(上記金額が15万円未満の場合は15万円)
合同会社資本金の額の1,000分の7の額(上記金額が6万円未満の場合は6万円)
合名会社
合資会社
6万円


なお登録免許税は、すべて収入印紙又は領収証書で納付します。

定款にかかる費用

定款の認証を受ける場合や、謄本を発行する際は、それぞれ以下の手数料がかかります。


手数料の種類費用
定款認証手数料・資本金額100万円未満:3万円
・資本金額100万円以上300万円未満:4万円
・資本金額300万円超:5万円
定款謄本手数料250円/1枚


なお、以下3つの条件にすべて該当する場合は、定款認証手数料が一律1万5,000円になります。

  • 発起人が3人以下の自然人(個人)である
  • 定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載又は記録がある
  • 定款に取締役会を置く旨の記載または記録がない

また、株式会社・相互会社の定款認証手続きでは、紙書類を提出する際、公証人保存原本への貼付用の4万円の収入印紙代がかかりますが、オンラインで手続きした場合は無料です。

その他の費用

会社設立にあたっては、法人登記の申請にかかる費用のほかにも、以下のような支出が別途発生します。


費用の種類費用相場
印鑑の作成100〜1万円程度
印鑑登録・証明書発行の手数料300〜500円程度
会社設立の相談および申請手続きの代行依頼数十万円〜


印鑑の費用は、本体の材質やサイズ、メーカーによって千差万別です。また印鑑登録および証明書発行の手数料は、市区町村によって異なるため、会社所在地の自治体の規定を確認しておきましょう。

会社設立や登記申請にあたって、司法書士・行政書士や税理士、弁護士などに相談・代行を依頼する際は、その費用も必要となります。なお法人登記の申請代行が依頼できるのは司法書士のみです。各種士業に相談すれば、法人登記の手続きがスムーズになり、設立後のフォローも受けられますが、その分費用が別途にかかります。

法人登記後の住所更新手続きにかかる費用

法人登記を済ませた事業の本店・支店の住所が変わったときは、変更手続きに伴い、登録免許税を納めなければなりません。移転登記にかかる登録免許税の額は、1箇所につき3万円です。個人の商業登記で移転登記をする際は、1箇所につき6,000円がかかります。

また、移転に伴い、定款の変更も行う場合は、初回の法人登記と同じく、資本金額に応じた3〜5万円の定款認証手数料と、1枚につき250円の定款謄本手数料、紙書類での申請の場合のみ4万円の収入印紙代が発生します。このとき、専門家に申請代行や相談を行った場合は、その費用も別途必要です。

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レンタルオフィスにある洗練されたラウンジエリアとバリスタバー

プロバイダーの認可があれば、一部の業種を除き、どの形態のレンタルオフィスでも法人登記が可能です。しかし、どのようなレンタルオフィスに拠点を置くかによって、法人口座の開設や融資審査の難易度が変わります。また、オフィスは事業の「顔」であり、対外的信用度に与える影響も軽視できません。ただ法人登記に対応するかどうかだけでなく「自社にふさわしいサービス品質を備えているか」「投資対効果に優れるか」という視点を踏まえて選定することが大切です。

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